【提案書とは?】提案書と提案資料はちがうもの?!提案書の種類をもう少し

通常提案書と回答提案書

第1回では、「使える提案書」と称して、私たちが普段からよくつくったりしている、「あの」パワポやワードでつくった「提案資料」を分類してみました。

今回は、私が『コンペ・入札で勝てる提案書』で解説のために分類している「提案書」の種類について、ご紹介します。コンペを軸に考えているものです。皆さんが普段作成している「提案資料」と、この分類は合っているでしょうか?ここで分類する「提案書」は、普段口にする「提案資料」の気軽さと一致していますでしょうか。また別の機会に扱いたいと思いますが、「企画書」という言葉も合わせて、呼称は少しややこしいですね。

さて、コンペや入札になったときに顧客から提示される要件に対する回答を提出するのが「回答提案書(response proposal)」です。これに対して、コンペにかかわらず、営業活動の中で、お客さまにこちらから自主的に提案するのが「通常提案書(unsolicited proposal)」です。英語のunsolicitedとは、要求されないが提出するという意味です。

→ 参照:『コンペ・入札で勝てる提案書』第1章 勝つための提案書とは?

回答提案書も、ただ単に回答するだけではもちろんありません。いかに案件を受注するかを考えて、さまざまな情報や考えを伝えようとしますよね。いずれにしても、自社の商材やサービスをお客さまに伝えるためのツールであることには変わりません。何を伝えるか、どう伝えるかは、営業の方の力の見せどころですね。

あらためて提案書とは

提案書とは、文字だけを見ると、お客さまに私たちが売りたい何かを提案する文書という意味に見えます。
提案するとは、つまり商品の名前を知らせるだけではなく、そこからどう行動してもらいたいかが重要なのです。お客さまに購入に向かって行動してもらいたい、これが私たちの原動力です。

つまり、私たちは、お客さまに私たちの商品やサービスを購入していただきたい、提案は、少なくともそのためにお客さまに何かしら行動してもらうためのきっかけなのです。

では、「何かしらの行動」とは?それは、商品やサービスの良さを理解してもらって、上司や社内の人たちに伝えてもらうこととか、実際に上司や購買担当をつれて見学ツアーを設定してもらうとか、相手が購買担当なら、購買を決めてもらうとか。こういったことです。

こうしたことを踏まえると、提案書とは、『読み手に何かを行動してもらうための文書あるいはコンテンツ』と定義できそうです。ただ読んでもらうだけでは、少し足りなさそうです。

汎用提案書というものもある

さて、提案書を2つに分類したわけですが、じつは第1回でご紹介したような6つの「資料」を2つに分けると、回答提案書以外はすべて通常提案書に入りそうですが、1つだけ特別に呼び名を付けているものがあります。それが「汎用提案書」です。これには英語名を付けていないのですが、じつはわたしは普段の仕事の中ではリーフレットと呼んでいます。逆にリーフレットの定義が、『特定のカテゴリーの会社群に対して同一のメッセージを伝えるための一枚提案書』だからなのです。

同じカテゴリーの会社数は、だいたい数社から20社くらいまでのイメージです。もちろん、大きな群になると一業種、中小の加工系製造業などある一定の規模の業種を区切る場合もありますが。

いずれにしても、カタログやパンフレットなど、単なる商用販促物として作成するよりは、読み手を絞ってメッセージを伝えることができる場合に汎用提案書として分類しています。

これらの各提案書の種類については、また別の機会にもう少し書いてみたいと思います。