2015 イベント参加記-2:中小企業案件について

Bid & Proposal Con 2015に参加してきました。

コマーシャルとは中小企業の顧客市場のことです。
提案書に関連する業務を専門スキルを持った別の担当者やチームを立てて任せるという発想は、案件が十分に大きいときに出る発想であり、もともと米国から発生したということは、テクニカルライティングもしかりですが、軍事用途からきているということです。
したがって、提案サポートの案件は、軍事からきて、巨大とはいわないまでも大規模な公共の入札案件、各業種のグローバルレベルの大企業あるいはシンジケートの案件などが一般的に想定されてきました。
APMPのカンファレンスでは、コマーシャルトラックという、中小企業向けのセッションがあり、この数年、中小企業向けにかなりこだわっている私も、興味を持って参加しました。
中小企業といえば、国内で仕事をしている限り、国内のみのビジネスしかみていませんでしたが、(もちろん、大企業顔負け、あるいは凌駕するような全世界に羽ばたく企業も多々あるのが日本ですよね)米国の中小企業向けはどう違うんだろう、というのがごく自然に想起される問いです。
初日に参加したセッションは、

「When Time is Not on Your Side: Winning in a Commercial Proposal World」
http://www.apmp.org/page/Hamaker_5_27

時間との闘いについての「ビデオ」を最初に見せられました。これが非常にキャッチーで、内容も経験したことがある人なら誰もが非常にどきどきしながら観ていたと思います。

その内容は、まず、コマーシャル案件の入札案件想定から始まります。締め切りと、RFPがあり、提出物や決められた回答内容がある案件です。

通常の案件なら十分な時間とさまざまなチームとの協力関係によって成り立つ提案書作成プロセスですが、RFPが急に来る場合、これは成り立ちません。チームとチーム、ステップとステップの間に溝(トラップかもしれません!)があって、何が起こるか危険きわまりありません。
また、情報が集まって提案書を作成する作業段階でも、当てはまるひな形がなかったり、顧客に訴えかけるメッセージなど、調べたり一から作ることがあとから出てきたりします。

タイムマネジメントも同様です。どきどきするのでここでは省略しますが。

講演者は3つのポイントを語っていました。


1.コマーシャル向けプロセスの標準化
2.協力チーム内のコミュニケーションルール(メーリングリスト、あるいはエイリアスと呼ばれる、一斉送信のメールで情報を全員で共有を義務づけ)
3.回答提案を作るベースとなる提案書のライブラリを作る。ただし毎度これをベースにカスタマイズする


1.は、コマーシャル向け案件が非常に短期ということを想定しています。ビデオの例では1週間でした。当然通常案件とはプロセスを変える必要があります。

2.は、比較的実現できている方が多いかもしれませんね。加えて今はソーシャルなコラボレーション用のツールがいろいろあるので、興味のある方は探してみるとよいかもしれません。ただし、その場合、協業する人たち全てが使えるものであること、持続性の高いと思われるツールかどうかなど、検討していただければと思います。

ビデオや電話と統合したものが多いなか、チャット主体のチャットワークやSlackなどのコラボレーションツールも面白いですね。(といっても、ビデオコミュニケーションが追加されましたね)

3.は、ライブラリといっても、Windowsのフォルダあるいはファイルサーバを提案書関連のファイル類を保存する場所と決めて共有している皆さんも多いかもしれません。

これもさまざまなツールで解決するかもしれませんが、回答提案書のプロセス、まずは「安全第一」です。不測の事態、とくに急いでいるときに限って起きますが、これを極力避けるためには、コンテンツマネジメントシステムの利用、あるいは提案書専用の管理システムの導入をおすすめしたいところです。

ただ、ここでのポイントは、「すぐに取り出せる」コンテンツを整理しておく。ということです。終始個人で作成する場合は、ご自身のパソコンのなかに保管をお願いします。バックアップをなるべく頻繁にとってください。使うときはやってきます!

もし一人でも一緒に協力して作っている人がいるなら、やはりライブラリを持っていただいた方がいいと思います。

ということで、急ぎ案件のコマーシャル向け提案書作成のポイントは、準備万端、安全第一のプロセスが第一ということでした。