提案書の簡単、確実なチェック法

提案書を書いて、配置して、そして完成させるために何度か出来をチェックします。最終的には印刷前に全文書を徹底的にチェックします。簡単単純な作業に見えますが、なぜかやってみると、そう簡単にはいきません。なぜでしょう?

提案書には、ビジネス文書的な性質と、技術文書的な性質の両方が混在しています。そして、扱う担当者の性質は、感覚的な思考の人と、論理的な思考の人の両方が存在します。難しさは、「向き不向き」からきます。

自分が得意とする性質が必要なパートは、確認が比較的スムーズで、反対にあまり得意でない性質が必要なパートを確認するときは、なかなか進まないことがあります。

たとえば、

  • タイトル、サブタイトルを配置する場所、文字数、体言止めにする
  • ページ数表示は表紙にはつけない
  • はじめに文章全体の構成を考えてから内容をつくる
  • 図表番号は文書全体で1つのルールで統一する
  • 重要な個所は赤字にする
  • 用語集は最後に作成する

など、大小さまざまなポイントがあります。

これらをチェックするには、まず、大きいポイントも小さいポイントも、一度に目で追って出てくる順にチェックしていると確実にチェック漏れを起こします。

やり方としては、チェックするポイントの順番を決め、その順序に従い1つずつ、全体をチェックしていきます。したがって、全体をチェックする回数はチェック個所の数だけかかるということです。普通に考えて、そんなに膨大な手間を同じ文書にかけるのはどうかと思うのではないでしょうか。しかし、これが一人で作業する場合にもっとも手間のかからない、確実な方法なのです。

ほかにもさらに精度を上げるためのちょっとした工夫もありますが、本当にとくに奇をてらったことではありません。着実に繰り返すことが、間違いをくまなくつぶすためによい方法なのです。

ところで、本には私も、一人でやらないでください、とあえて書いています。中小零細企業であれ、個人事業主であれ、近年は提案書を書く場面が出てきています。しかし、そうした方に申し上げたいのは、仲間でつくりませんかということ。具体的には一人でやる作業を何人かで分担します。本当は、分担せずに同じ人が1つの文書全体を担当するのが統一もとれ、最も確実と思われますが、同じ人が見続けると、同じ間違いに気づかないまま繰り返しスルーしてしまったりすることがあり、複数の人の目で確認する作業は大切なのです。どうしても同じ人、同じ目で確認することにこだわりたい場合は、文章の文字校正の場合は、読み合わせという作業もあります。一人が声に出して1文字1文字読み、その声を聞きながらもう一人が文字を確認する作業は、時間がかかりますが、非常に効果的です。

さて、皆様やる気が出てきたでしょうか。やってみるとちょっといつもとちがう気分になってとても楽しくなります。(ただし、時間の配分はしっかり管理してくださいね。)本当ですよ!

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